最判平成20年7月17日
入会権確認訴訟(固有必要的共同訴訟)で、提訴に同調しない構成員を被告に加え、全員を当事者とすれば当事者適格を認めた判例
出題:司法H28・司法R7・予備R2・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成18(受)1818 入会権確認請求事件
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 民集 第62巻7号1994頁
- 参照法条
- 民法263条,民訴法40条,民訴法第1編第3章 当事者
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
入会集団の一部の構成員が訴えの提起に同調しない構成員を被告に加えて構成員全員が訴訟当事者となる形式で第三者に対する入会権確認の訴えを提起することの許否
裁判要旨
特定の土地が入会地であるのか第三者の所有地であるのかについて争いがあり,入会集団の一部の構成員が,当該第三者を被告として当該土地が入会地であることの確認を求めようとする場合において,訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で訴えを提起することができないときは,上記一部の構成員は,訴えの提起に同調しない構成員も被告に加え,構成員全員が訴訟当事者となる形式で,構成員全員が当該土地について入会権を有することの確認を求める訴えを提起することが許され,当事者適格を否定されることはない。
解説
事案
Xら(上告人)は、鹿児島県西之表市A集落の住民を構成員とする入会集団(本件入会集団)が、本件各土地(4筆)を入会地として有すると主張した。
- Y2社(被上告会社)は、各土地の登記名義人(Y3・Y4、Y5・Y6)から各土地を買い受けたとして、平成13年5月29日に共有持分移転登記を了した。
- 集団内部でも土地の帰属に争いがあり、他の構成員(被上告人入会権者ら。登記名義人を含む)は提訴に同調しなかった。
- そこでXらは、Y2社に加えて同調しない構成員らも被告とし、Xら及び被上告人入会権者らが各土地につき共有の性質を有する入会権を有することの確認を求めて訴えを提起した。
- 原審は、入会権確認の訴えは固有必要的共同訴訟であるとした。そのうえで、①構成員の一部による提訴だから原告適格を欠く、②同調しない者は本来原告となるべき者であり、これを被告とすることを前提とした規定が民訴法にない、③一部による提訴は管理処分には全員を要するという実体法と抵触する、として訴えを却下すべきものとした。
争点
- 入会地であることの確認の訴えは固有必要的共同訴訟か
- 入会集団の一部の構成員が、提訴に同調しない構成員を被告に加え、構成員全員が当事者となる形式で第三者に対し入会権確認の訴えを提起することは許されるか(当事者適格の有無)
- 最判昭和41年11月25日との関係
判旨
原判決を破棄し、第1審判決を取り消して第1審に差し戻した。
- 特定の土地が入会地であることの確認を求める訴えは、入会集団の構成員全員が当事者として関与し、その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟である。
- 規範:特定の土地が入会地か第三者の所有地かに争いがあり、一部の構成員がその第三者を被告として入会地であることの確認を求めたいと考えたとする。訴えの提起に同調しない構成員がいるために構成員全員で提訴できないときは、一部の構成員は、同調しない構成員も被告に加え、構成員全員が訴訟当事者となる形式で、構成員全員が当該土地について入会権を有することの確認を求める訴えを提起できる。この場合、全員による提訴でないことを理由に当事者適格を否定されることはない。
- ただし、Xらと被上告人入会権者ら以外に構成員がいないことが前提である。そのため、他の構成員の有無を確認させるために差し戻した。
判決文から
「入会集団の構成員全員が当事者として関与し,その間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟である。」
入会権確認訴訟の性質決定(固有必要的共同訴訟)
「入会権の存在を主張する構成員の訴権は保護されなければならない。」
非同調者被告化を認める実質的根拠
「このような訴えの提起を認めて,判決の効力を入会集団の構成員全員に及ぼしても,構成員全員が訴訟の当事者として関与するのであるから,構成員の利益が害されることはないというべきである。」
全員が当事者となることで手続保障を確保
「構成員全員による訴えの提起ではないことを理由に当事者適格を否定されることはないというべきである。」
当事者適格を肯定する結論部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
