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最決平成20年4月15日

公道・パチンコ店内での被疑者の容ぼうのビデオ撮影と、ごみ集積所に出されたごみの遺留物領置を、いずれも適法とした決定

刑事訴訟法捜索・差押え・検証捜査の端緒・任意捜査幸福追求権・プライバシー本試験で 9 問(短答 7・論文 2)

出題:司法H24・司法H25・司法H26・司法R1・司法R5・司法R6・予備H26・予備R5・予備R8

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成19(あ)839 窃盗,窃盗未遂,住居侵入,強盗殺人被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第62巻5号1398頁
参照法条
(1につき)刑訴法197条1項 (2につき)刑訴法221条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例 2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否

裁判要旨

1 捜査機関において被告人が強盗殺人等事件の犯人である疑いを持つ合理的な理由が存在し,かつ,同事件の捜査に関して行われたビデオ撮影が,防犯ビデオに写っていた人物の容ぼう,体型等と被告人の容ぼう,体型等との同一性の有無という犯人の特定のための重要な判断に必要な証拠資料を入手するため,これに必要な限度において,公道上及び不特定多数の客が集まるパチンコ店内にいる被告人の容ぼう等を撮影したものであるなど判示の事実関係の下では,これらのビデオ撮影は,捜査活動として適法である。 2 捜査機関は,不要物として公道上のごみ集積所に排出されたごみについて,捜査の必要がある場合には,刑訴法221条によりこれを遺留物として領置することができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被害者を殺害してキャッシュカード等を奪い、ATMから多額の現金を引き出した強盗殺人・窃盗等の事案である。

  • ATMの防犯ビデオに被害者とは別人が写っており、被害者宅からは多量の血痕が見つかった。その捜査の過程で被告人の関与が疑われた。
  • 警察官は、防犯ビデオの人物と被告人が同一人物かを判断するため、捜査車両や近くに借りたマンションの部屋から、公道を歩く被告人を撮影した。
  • さらに、防犯ビデオの人物がはめていた腕時計との同一性を確かめるため、パチンコ店長に依頼して店内の防犯カメラで撮影し、警察官自身も小型カメラで店内の被告人を撮影した。
  • また警察官は、被告人とその妻が自宅近くの公道上のごみ集積所に出したごみ袋を回収した。警察署内で中身を確認し、防犯ビデオの人物と似たダウンベスト・腕時計等を見つけて領置した。
  • 撮影した画像をもとに専門家が鑑定書を作成し、鑑定書とダウンベスト・腕時計は第1審で証拠として取り調べられた。
  • 弁護側は、撮影はプライバシーを侵害する違法捜査であり、無令状の領置も違法だから証拠能力がない、と主張した。

争点

  • 京都府学連事件判決は、現に犯罪が行われている場合(またはその直後)以外の容ぼう撮影を一切禁じる趣旨か
  • 公道上・パチンコ店内で被疑者の容ぼう等を無令状でビデオ撮影した捜査の適法性(刑訴法197条1項)
  • 公道上のごみ集積所に排出されたごみを、無令状で遺留物として領置できるか(刑訴法221条)

判旨

上告棄却。各捜査手続はいずれも適法である。

  • 判例の読み方:京都府学連事件判決(最大判昭和44年12月24日)と最判昭和61年2月14日は、容ぼう等の撮影が、現に犯罪が行われている場合やその直後に限って許される、という趣旨まで判示したものではない。
  • ビデオ撮影:次の事情があれば、撮影は「捜査目的を達成するため、必要な範囲において、かつ、相当な方法によって」行われたものとして、捜査活動として適法である。
  • 被告人が犯人である疑いを持つ合理的な理由がある。
  • 犯人特定のための重要な判断(防犯ビデオの人物との同一性)に必要な証拠資料を得るため、必要な限度で撮影している。
  • 撮影場所が公道上や不特定多数の客が集まる店内であり、通常、人が他人から容ぼう等を観察されること自体は受忍せざるを得ない場所である。
  • ごみの領置:不要物として公道上のごみ集積所に排出されたごみは、占有が放棄されている。捜査の必要があれば、刑訴法221条により遺留物として令状なしに領置できる。

判決文から

「警察官による人の容ぼう等の撮影が,現に犯罪が行われ又は行われた後間がないと認められる場合のほかは許されないという趣旨まで判示したものではない」

京都府学連事件の要件は絶対的な限界ではないと明示した

「いずれも,通常,人が他人から容ぼう等を観察されること自体は受忍せざるを得ない場所におけるものである。」

撮影場所によるプライバシー保護の程度の低さを示す

「これらのビデオ撮影は,捜査目的を達成するため,必要な範囲において,かつ,相当な方法によって行われたものといえ,捜査活動として適法なものというべきである。」

必要性・相当性による適法性判断の結論部分

「不要物として公道上のごみ集積所に排出し,その占有を放棄していたものであって」

遺留物に当たる根拠は占有の放棄にある

「捜査の必要がある場合には,刑訴法221条により,これを遺留物として領置することができるというべきである。」

ごみ領置の規範。答案にそのまま使える

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。