最判平成20年1月28日
取締役の会社に対する任務懈怠責任(旧商法266条1項5号)は商事時効5年ではなく、民法の10年の時効に服するとした。
出題:司法H25・予備H25
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成18(受)1074 損害賠償請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第62巻1号128頁
- 参照法条
- 民法167条1項,商法522条,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条3項,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)254条ノ3,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号,会社法423条1項,会社法430条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
裁判要旨
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,民法167条1項により10年と解すべきである。
解説
事案
預金保険法附則7条1項所定の整理回収業務を行う者(被上告人)が、銀行の取締役であった者(上告人)を訴えた事案である。被上告人は、融資の際に上告人に忠実義務・善管注意義務違反があったと主張し、平成17年改正前商法266条1項5号に基づく損害賠償を求めた。
争点は、この損害賠償請求権の消滅時効期間である。具体的には、商事消滅時効(商法522条・5年)が適用・類推適用されるのか、民法167条1項(10年)によるのかが争われた。原審(札幌高裁)は10年とする判断をし、取締役側が上告受理申立てをした。
争点
- 旧商法266条1項5号(現会社法423条1項)に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、商法522条の5年か、民法167条1項の10年か
- 取締役の任務懈怠責任は、商行為たる委任契約上の債務が態様を変じたものといえるか
判旨
上告棄却。
結論:旧商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、商法522条所定の5年ではなく、民法167条1項により10年である。
規範:
- 取締役の任務懈怠による会社に対する損害賠償責任は債務不履行責任である。しかし、法によってその内容が加重された特殊な責任であり、商行為たる委任契約上の債務が単にその態様を変じたにすぎないものとはいえない。
- 任務懈怠行為は外部から判明し難いことが少なくない。そのため、商事取引における迅速決済の要請は妥当しない。
- 以上から、商法522条を適用ないし類推適用すべき根拠はない。
判決文から
「取締役の会社に対する職務上の義務は,契約当事者の合意の内容のみによって定められるものではなく,契約当事者の意思にかかわらず,法令によってその内容が規定されるという側面を有するものというべきである。」
義務内容の法定性という出発点
「法によってその内容が加重された特殊な責任であって,商行為たる委任契約上の債務が単にその態様を変じたにすぎないものということはできない。」
商行為債権性を否定する核心部分
「取締役の会社に対する任務懈怠行為は外部から容易に判明し難い場合が少なくないことをも考慮すると,同号に基づく取締役の会社に対する損害賠償責任については商事取引における迅速決済の要請は妥当しないというべきである。」
商事時効の趣旨が妥当しない理由
「商法266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は,商法522条所定の5年ではなく,民法167条1項により10年と解するのが相当である。」
結論部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
