SaySayLaw

最決平成2年2月9日

覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類との認識があれば、覚せい剤輸入罪・所持罪の故意が認められるとした決定

刑法故意・錯誤本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法R1・予備H25

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成1(あ)1038 覚せい剤取締法違反、関税法違反
裁判
決定・棄却
判例集
集刑 第254号99頁
参照法条
刑法38条1項,覚せい剤取締法41条1項1号,覚せい剤取締法13条,覚せい剤取締法41条の2第1項1号,覚せい剤取締法14条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

覚せい剤輸入罪及び所持罪における覚せい剤であることの認識の程度

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は、本件物件を密輸入し、所持した。覚せい剤取締法違反(輸入罪・所持罪)と関税法違反で起訴された。

  • 原判決(東京高裁)は、被告人が密輸入・所持の際、本件物件を「覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類」と認識していたと認定した。そのうえで、覚せい剤輸入罪・所持罪の故意を肯定した。
  • 弁護人は、憲法31条・37条1項・2項違反、事実誤認、量刑不当を理由に上告した。
  • 最高裁は、上告趣意はいずれも刑訴法405条の上告理由に当たらないとした。そのうえで、所論にかんがみ、故意の有無を職権で判断した。

争点

  • 覚せい剤輸入罪・所持罪の故意を認めるために、対象物が覚せい剤であることをどの程度認識している必要があるか
  • 「覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類」という概括的な認識で故意を認めることができるか

判旨

上告棄却。職権判断で故意を肯定した。

  • 被告人に「覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類である」との認識があった以上、それは「覚せい剤かもしれないし、その他の身体に有害で違法な薬物かもしれない」との認識があったことに帰する。
  • したがって、覚せい剤輸入罪・同所持罪の故意に欠けるところはない。

答案用の規範:覚せい剤犯罪の故意は、対象物が覚せい剤であることの確定的な認識までは要しない。覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類であるとの認識、すなわち覚せい剤である可能性を含む概括的・未必的な認識があれば足りる。

判決文から

「覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物類であるとの認識があったというのであるから、覚せい剤かもしれないし、その他の身体に有害で違法な薬物かもしれないとの認識はあったことに帰することになる。」

概括的認識を覚せい剤の未必的認識と読み替える核心部分

「そうすると、覚せい剤輸入罪、同所持罪の故意に欠けるところはないから、これと同旨と解される原判決の判断は、正当である。」

結論。輸入罪・所持罪双方の故意を肯定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。