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体感器事件

最決平成19年4月13日

体感器を身体に装着してパチスロ遊戯をすること自体が窃盗の実行行為に当たり、取得したメダル全部に窃盗罪が成立するとした決定

刑法詐欺・恐喝罪窃盗罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H23・司法H26・予備H23

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成18(あ)1605 建造物侵入,窃盗被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第61巻3号340頁
参照法条
(1,2につき)刑法235条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

1 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯する行為の窃盗罪該当性 2 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を身体に装着してパチスロ機で遊戯し取得したメダルについて窃盗罪が成立する範囲

裁判要旨

1 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器(判文参照)を使用する意図のもとにこれを身体に装着してパチスロ機で遊戯する行為は,同機器がパチスロ機に直接には不正の工作ないし影響を与えないものであっても,窃盗罪の実行行為に当たる。 2 専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器(判文参照)を使用する意図のもとにこれを身体に装着してパチスロ機で遊戯し取得したメダルについては,それが同機器の操作の結果取得されたものであるか否かを問わず,そのすべてについて窃盗罪が成立する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被害店舗のパチスロ機「甲」は、内蔵する電子回路の乱数周期を使って、大当たりを連続して発生させる場合を抽選する仕組みであった。被告人は、体感器と呼ばれる電子機器(本件機器)を身体に隠して装着していた。本件機器は、自らの乱数周期をパチスロ機の乱数周期と同期させ、大当たり連続の絵柄をそろえるための回胴停止ボタンの押し順を判定できる。専らパチスロ遊戯で不正にメダルを取得するために使われる機器である。

店舗は体感器のような特殊機器の持込みも、それを用いた遊戯も禁止し、その旨を店内に掲示して告知していた。被告人もこれを認識していた。被告人は、当初から本件機器でメダルを不正に取得する意図で入店し、55番台で遊戯した。本件機器を使って大当たり連続の絵柄をそろえることに成功するなどし、合計約1524枚のメダルを取得した。建造物侵入・窃盗で起訴され、原審は約1524枚全部について窃盗罪を認めた。最高裁は上告を棄却した。

争点

  • パチスロ機に直接には不正の工作・影響を与えない体感器を装着して遊戯する行為が、窃盗罪(刑法235条)の実行行為に当たるか
  • 体感器を装着して遊戯し取得したメダルのうち、窃盗罪が成立する範囲(体感器の操作の結果として取得したものに限られるか)

判旨

結論:被告人が取得したメダル約1524枚の全部について窃盗罪の成立を認めた原判断は正当である。

規範(答案用)

  • 専らメダルの不正取得を目的として、体感器を使用する意図のもと、これを身体に装着し不正取得の機会をうかがいながらパチスロ機で遊戯すること自体が、通常の遊戯方法の範囲を逸脱する。
  • パチスロ機を設置する店舗は、およそそのような態様の遊戯を許容していない。
  • したがって、その遊戯で取得したメダルは、体感器の操作の結果取得されたものか否かを問わず、メダル管理者の意思に反してその占有を侵害し、自己の占有に移したもの(窃取)に当たる。
  • 機器がパチスロ機に直接には不正の工作ないし影響を与えないものであっても、この結論は変わらない。

判決文から

「本件機器がパチスロ機に直接には不正の工作ないし影響を与えないものであるとしても」

機械への物理的・直接的工作は不要とした点

「専らメダルの不正取得を目的として上記のような機能を有する本件機器を使用する意図のもと,これを身体に装着し不正取得の機会をうかがいながらパチスロ機で遊戯すること自体,通常の遊戯方法の範囲を逸脱するものであり」

遊戯そのものを違法な占有移転行為と捉える核心部分

「それが本件機器の操作の結果取得されたものであるか否かを問わず,被害店舗のメダル管理者の意思に反してその占有を侵害し自己の占有に移したものというべきである。」

窃盗成立範囲を取得メダル全部とした根拠

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。