最決平成19年2月8日
居室の捜索差押許可状の執行中に被疑者宛てに配達され、被疑者が受領した荷物も、同じ許可状で捜索できる。
出題:司法H24・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成18(あ)1733 覚せい剤取締法違反被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第61巻1号1頁
- 参照法条
- 刑訴法102条,刑訴法218条1項,刑訴法219条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物について同許可状に基づき捜索することの可否
裁判要旨
被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物についても,同許可状に基づき捜索することができる。
解説
事案
警察官は、被告人に対する覚せい剤取締法違反被疑事件について、捜索場所を被告人方居室等、差し押さえるべき物を覚せい剤等とする捜索差押許可状に基づき、被告人の立会いの下で居室を捜索していた。その捜索中に、宅配便の配達員が被告人宛ての荷物を配達し、被告人がこれを受領した。警察官がこの荷物を開封したところ、中から覚せい剤が見つかった。そこで警察官は被告人を覚せい剤所持罪で現行犯逮捕し、逮捕の現場でその覚せい剤を差し押さえた。弁護側は、許可状の効力は令状呈示後に搬入された物品には及ばないと主張した。原審は仙台高裁秋田支部である。最高裁は上告を棄却し、職権でこの点を判断した。
争点
- 捜索場所に対する捜索差押許可状の効力は、令状呈示(執行開始)後に捜索場所へ搬入された物にも及ぶか
- 捜索中に被疑者宛てに配達され被疑者が受領した荷物を、同じ許可状に基づいて開封・捜索できるか
判旨
結論:被疑者方居室に対する捜索差押許可状で居室を捜索している最中に、被疑者宛てに配達され被疑者が受領した荷物についても、警察官はその許可状に基づいて捜索できる。「令状の効力は令状呈示後に搬入された物品には及ばない」とする所論は採らず、原判断は結論において正当とした。
答案に書ける規範:場所に対する捜索差押許可状の効力は、令状呈示の時点で捜索場所に存在した物に限られない。執行中に捜索場所に搬入され、被疑者の管理下に入った物にも及ぶ。したがって、その物を許可状に基づいて捜索(開封)できる(刑訴法218条1項、219条1項、222条1項・102条)。
判決文から
「所論は,上記許可状の効力は令状呈示後に搬入された物品には及ばない旨主張するが」
争点が呈示後の搬入物への令状の効力だと示す部分
「警察官は,このような荷物についても上記許可状に基づき捜索できるものと解するのが相当である」
結論。搬入物にも令状の効力が及ぶとした核心
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