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トランク監禁事件

最決平成18年3月27日

トランク内監禁中に第三者の甚だしい過失による追突で被害者が死亡した事案で、監禁行為と死亡の因果関係を肯定した

刑法構成要件該当性・因果関係自由・名誉・信用に対する罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H28・司法H30・予備H28

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
平成17(あ)2091 暴行,逮捕監禁致死被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第60巻3号382頁
参照法条
刑法第1編第7章 犯罪の不成立及び刑の減免,刑法221条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した行為と同車に後方から走行してきた自動車が追突して生じた被害者の死亡との間に因果関係があるとされた事例

裁判要旨

道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した行為と,同車に後方から走行してきた自動車が追突して生じた被害者の死亡との間には,同人の死亡原因が直接的には追突事故を起こした第三者の甚だしい過失行為にあるとしても,因果関係がある。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は2名と共謀し、午前3時40分ころ、普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を押し込んだ。トランクカバーを閉めて脱出できないようにし、同車を発進走行させた。その後、呼び出した知人らと合流するため、大阪府岸和田市内の路上で停車した。停車地点は、車道幅員約7.5mの片側1車線で、ほぼ直線の見通しのよい道路上であった。

停車から数分後の午前3時50分ころ、後方から普通乗用自動車が走行してきた。その運転者は前方不注意のため、至近距離に至るまで停車車両に気付かず、ほぼ真後ろから時速約60kmで追突した。これによりトランクの中央部がへこみ、被害者は第2・第3頸髄挫傷の傷害を負い、間もなく同傷害により死亡した。

第1審・原審は逮捕監禁致死罪の成立を認め、被告人が上告した。

争点

  • 第三者の甚だしい過失行為(追突事故)が介在して被害者が死亡した場合に、監禁行為と死亡結果との間に因果関係が認められるか
  • 逮捕監禁致死罪(刑法221条)の成否

判旨

上告棄却。逮捕監禁致死罪の成立を認めた原判断を正当とした。

  • 本件の事実関係の下では、被害者の死亡原因が直接的には追突事故を起こした第三者の甚だしい過失行為にあるとしても、道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した本件監禁行為と被害者の死亡との間の因果関係を肯定できる。
  • 答案での書き方:介在事情(第三者の過失行為)が直接の死因であっても、それだけで因果関係は否定されない。実行行為(道路上の車のトランク内への監禁)の性質・状況からみて、その結果が生じたといえるかを検討する、という枠組みで用いる。
  • ただし本決定は「以上の事実関係の下においては」とする事例判断であり、一般的な判断基準を定式化していない点に注意する。

判決文から

「被害者の死亡原因が直接的には追突事故を起こした第三者の甚だしい過失行為にあるとしても,道路上で停車中の普通乗用自動車後部のトランク内に被害者を監禁した本件監禁行為と被害者の死亡との間の因果関係を肯定することができる。」

判旨の核心。第三者の甚だしい過失介在でも因果関係肯定

「車道の幅員が約7.5mの片側1車線のほぼ直線の見通しのよい道路上であった。」

停車場所の状況。停車場所の状況(見通しのよい直線道路)。決定が摘示した事実

「運転者は前方不注意のために,停車中の上記車両に至近距離に至るまで気付かず,同車のほぼ真後ろから時速約60㎞でその後部に追突した。」

介在事情が「甚だしい過失」と評価される事実

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。