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最判平成18年10月20日

不動産譲渡担保で、弁済期後に担保権者の債権者が差押登記をすれば、その後に全額弁済しても設定者は第三者異議できない

民法その他の担保物権本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法R1・司法R5・予備R5

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成16(受)1641 第三者異議事件
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第60巻8号3098頁
参照法条
民法369条(譲渡担保),民事執行法38条1項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否

裁判要旨

不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ,その旨の登記がされたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

不動産を目的とする譲渡担保が設定されていた。被担保債権の弁済期が過ぎた後、譲渡担保権者の債権者である被上告人がその目的不動産を差し押さえ、差押登記がされた。その差押登記の後に、設定者である上告人が債務を弁済して受戻権を行使した。そのうえで上告人は、受け戻して所有権を回復したと主張し、民事執行法38条1項に基づく第三者異議の訴えを提起して、強制執行の不許を求めた。原審(大阪高裁)は上告人の請求を認めなかった。上告人が上告受理を申し立てたが、最高裁は上告を棄却した。

争点

  • 弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ、差押登記がされた後に、設定者が債務全額を弁済して受戻権を行使した場合、第三者異議の訴え(民事執行法38条1項)で強制執行の不許を求めることができるか
  • 弁済期前に差押えがされた場合との違いはどこにあるか

判旨

結論:上告棄却。設定者は第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。

規範(弁済期後の差押え):不動産譲渡担保で、被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ、その旨の登記がされたときは、設定者は差押登記後に債務の全額を弁済しても、第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない。差押債権者に対しては、差押え後の受戻権行使による所有権回復を主張できないからである。

規範(弁済期前の差押え):被担保債権の弁済期前に差押えがされた場合は、少なくとも設定者が弁済期までに債務の全額を弁済して受け戻したときは、設定者は第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることができる。

判決文から

「不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえ,その旨の登記がされたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない」

本判決の中心となる規範

「被担保債権の弁済期後は,設定者としては,目的不動産が換価処分されることを受忍すべき立場にある」

弁済期後の設定者の地位を示す理由づけ

「譲渡担保権者の債権者による目的不動産の強制競売による換価も,譲渡担保権者による換価処分と同様に受忍すべきものということができる」

強制競売を担保権者自身の処分と同視する点

「弁済期前においては,譲渡担保権者は,債権担保の目的を達するのに必要な範囲内で目的不動産の所有権を有するにすぎず,目的不動産を処分する権能を有しない」

弁済期前の差押えとの区別の根拠

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。