登録免許税還付通知拒否事件
登録免許税法31条2項の還付通知請求に対する拒否通知は、簡易迅速な還付手続を利用する地位を否定するので処分に当たる
出題:司法H24・司法H25・司法R1・司法R3・司法R5・予備H29・予備R3
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成13(行ヒ)25 処分取消請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第59巻3号491頁
- 参照法条
- 登録免許税法31条1項,登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項,国税通則法56条1項,国税通則法(平成11年法律第10号による改正前のもの)15条2項14号,国税通則法(平成11年法律第10号による改正前のもの)15条3項6号,行政事件訴訟法3条1項,行政事件訴訟法3条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
1 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項所定の請求の手続によらないで過誤納金の還付を請求することの可否 2 登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項に基づいてした請求に対する登記機関の拒否通知と抗告訴訟の対象
裁判要旨
1 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者は,登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項所定の請求の手続によらなくても,国税通則法56条に基づき,過誤納金の還付を請求することができる。 2 登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知をすべき旨の請求に対し,登記機関のする拒否通知は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 (1につき反対意見がある。)
解説
事案
Xは、阪神・淡路大震災で損壊した建物を取り壊し、新たに建物を新築した。平成9年12月4日、その保存登記を申請し、課税価格の1000分の6に当たる登録免許税72万3000円を納付し、登記官Yが保存登記をした。
その後Xは、震災特例法所定の免税措置が適用されると主張した。そして登録免許税法(平成14年改正前)31条2項に基づき、Yに対し、所轄税務署長へ同条1項の過誤納金還付通知をすべき旨を請求した。Yは、過誤納はなく通知はできない旨の通知(本件拒否通知)をした。
XはYを相手に本件拒否通知の取消しを求めた。あわせて、国を相手とする還付請求の訴えも併合して提起した。原審は、拒否通知は処分に当たらないとして取消しの訴えを却下し、国に対する還付請求は棄却した。還付請求を棄却した部分はそのまま確定した。Yが上告受理を申し立てた。
争点
- 過大に登録免許税を納付した者は、登録免許税法31条2項の請求手続によらずに、国税通則法56条に基づき過誤納金の還付を請求できるか(31条2項の手続の排他性)
- 31条2項の請求に対する登記機関の拒否通知は、抗告訴訟の対象となる行政処分(行訴法3条2項)に当たるか
- 還付請求棄却判決が確定している場合、拒否通知取消訴訟に訴えの利益があるか
判旨
上告棄却(却下の結論を維持)。
- 要旨1:登録免許税は登記の時に納税義務が成立し、税額も特別の手続なく確定する。そのため、過大に納付した者は当然に還付請求権を取得する。31条2項は手続の排他性を定めるものではない。したがって、拒否通知の取消しを受けなくても、国税通則法56条に基づき過誤納金の還付を請求できる。
- 上記のとおり排他性がない以上、排他的手続であることを理由に拒否通知の処分性を肯定することはできない。
- 要旨2:もっとも、31条2項は、登記等を受けた者に「簡易迅速に還付を受けることができる手続を利用することができる地位」を保障している。拒否通知はこの手続上の地位を否定する法的効果を有するので、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。
- 本件では、国に対する還付請求棄却判決が確定している。そのため、還付を受けられる地位にないことが既判力で確定しており、拒否通知を取り消しても地位を回復する余地はない。よって訴えの利益を欠く。
判決文から
「登録免許税法31条2項は,登録免許税の還付を請求するには専ら上記の請求の手続によるべきであるとする手続の排他性を規定するものということはできない。」
手続の排他性を否定した要旨1の核心
「登録免許税法31条2項は,登記等を受けた者に対し,簡易迅速に還付を受けることができる手続を利用することができる地位を保障しているものと解するのが相当である。」
処分性の根拠となる「手続上の地位」の設定
「上記の拒否通知は,登記等を受けた者に対して上記の手続上の地位を否定する法的効果を有するものとして,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解するのが相当である。」
要旨2の結論。法的効果の内容に注意
「被上告人は,本件訴えにおいて本件拒否通知を取り消す旨の判決を得たとしても,これによって上記の還付を受けることができる地位を回復する余地はないから,本件訴えにつき訴えの利益を有するものとすることはできない。」
処分性肯定でも訴えの利益で却下となった点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
