騒音傷害事件
連日連夜の大音量騒音で隣人に慢性頭痛症等を生じさせた行為を、傷害罪(刑法204条)の実行行為と認めた事例
出題:司法H22・司法R1・司法R5
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成16(あ)2145 傷害被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第59巻2号54頁
- 参照法条
- 刑法204条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
自宅から隣家の被害者に向けて連日連夜ラジオの音声等を大音量で鳴らし続け被害者に慢性頭痛症等を生じさせた行為が傷害罪の実行行為に当たるとされた事例
裁判要旨
自宅から隣家の被害者に向けて,精神的ストレスによる障害を生じさせるかもしれないことを認識しながら,連日連夜,ラジオの音声及び目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして,被害者に精神的ストレスを与え,慢性頭痛症等を生じさせた行為(判文参照)は,傷害罪の実行行為に当たる。
解説
事案
被告人は、自宅のうち隣家に最も近い台所の、隣家に面した窓の一部を開けた。そして窓際やその付近にラジオと複数の目覚まし時計を置いた。約1年半にわたり、隣家の被害者らに向けて、連日朝から深夜ないし翌未明まで、ラジオの音声と目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどした。被告人は、これにより精神的ストレスによる障害を生じさせるかもしれないことを認識していた。被害者は精神的ストレスを受け、全治不詳の慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症を負った。第1審は傷害罪の成立を認め、原審(大阪高裁)もこれを是認した。弁護人は判例違反等を理由に上告した。
争点
- 有形力の行使によらない無形的方法(騒音による精神的ストレス)が、傷害罪の実行行為に当たるか
- 精神的ストレスにより生じた慢性頭痛症・睡眠障害・耳鳴り症が「傷害」に当たるか
- 暴行によらない傷害で傷害罪を認める前提としての故意(障害発生の認識)
判旨
上告棄却。
- 認定された事実関係の下で、被告人の行為は傷害罪の実行行為に当たる。
- 同罪の成立を認めた原判断は正当である。
本決定は抽象的な規範を示していない事例判断である。答案では次のように使える。
- 規範:暴行(有形力の行使)によらなくても、人の身体に障害を生じさせる現実的危険のある行為であれば、傷害罪の実行行為となりうる(無形的方法による傷害)。
- 故意:この場合には、障害を生じさせるかもしれないとの認識(傷害の未必の故意)が必要になる。
- 本件の結論:本件では、①約1年半・連日朝から深夜未明までという継続性、②隣家に向けた大音量という態様、③障害発生の認識、がそろっていた。これにより傷害罪が成立した。
判決文から
「精神的ストレスによる障害を生じさせるかもしれないことを認識しながら,連日朝から深夜ないし翌未明まで,上記ラジオの音声及び目覚まし時計のアラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして」
傷害の未必の故意と、継続的・執拗な行為態様
「以上のような事実関係の下において,被告人の行為が傷害罪の実行行為に当たるとして,同罪の成立を認めた原判断は正当である。」
結論部分。事例判断であることが読み取れる
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
