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最決平成16年2月17日

それ自体死亡をもたらし得る傷害を負わせた以上、被害者が安静指示に従わなかった事情が介在しても因果関係は肯定される

刑法構成要件該当性・因果関係生命・身体に対する罪本試験で 7 問(短答 7・論文 0)

出題:司法H23・司法H27・司法H28・司法R1・司法R8・予備H28

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成15(あ)1716 傷害致死,建造物侵入,強盗,強盗未遂,道路交通法違反被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第58巻2号169頁
参照法条
刑法第1編第7章 犯罪の不成立及び刑の減免,刑法205条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

被害者が暴行による傷害の治療中に医師の指示に従わなかったために治療の効果が上がらなかったとしても暴行と死亡との間に因果関係があるとされた事例

裁判要旨

暴行による傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものであった場合には,その治療中に被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在したとしても,上記暴行と被害者の死亡との間には因果関係がある。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は数名と共謀し、深夜、飲食店街の路上で被害者の頭部をビール瓶で殴打し、足蹴にするなどの暴行を加えた。さらに共犯者の1名が底の割れたビール瓶で被害者の後頸部等を突き刺した。これにより被害者は左後頸部刺創による血管損傷等の傷害を負った。この刺創は頸椎左後方に達し、深頸静脈・外椎骨静脈沿叢などを損傷して多量の出血を来すものだった。

被害者は直ちに病院で受診し、翌日未明までに止血の緊急手術を受けた。術後いったんは容体が安定し、担当医は、良好に経過すれば加療約3週間と見通していた。しかしその日のうちに容体が急変して転院し、事件の5日後、左後頸部刺創に基づく頭部循環障害による脳機能障害で死亡した。

被告人は「容体急変の直前、被害者が無断退院しようとして治療用の管を抜くなどして暴れ、それで容体が悪化したと聞いている」と述べた。被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったことが治療の効果を減殺した可能性は、記録上否定できなかった。傷害致死罪(刑法205条)の成否が問題となった。

争点

  • 被害者自身の不適切な行動(医師の指示に従わず安静に努めなかったこと)が介在した場合に、暴行と死亡との間の因果関係が認められるか
  • 傷害致死罪(刑法205条)における暴行・傷害と死亡結果との因果関係の判断基準

判旨

結論:因果関係を肯定し、傷害致死罪の成立を認めた原判断を正当とした(上告棄却)。

規範:暴行による傷害が、それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であった場合には、その治療中に被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在したとしても、暴行による傷害と死亡との間には因果関係がある。

答案では「行為により生じた傷害がそれ自体死亡の結果をもたらし得るものであり、現にその傷害に基づいて死亡した以上、被害者の不適切な行動が介在して治療効果を減殺したとしても、因果関係は否定されない」と書ける。

判決文から

「被告人らの行為により被害者の受けた前記の傷害は,それ自体死亡の結果をもたらし得る身体の損傷であって」

因果関係肯定の核心=当初の傷害の危険性の大きさ

「仮に被害者の死亡の結果発生までの間に,上記のように被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったために治療の効果が上がらなかったという事情が介在していたとしても」

被害者の介在行為を仮定しても結論は変わらない

「被告人らの暴行による傷害と被害者の死亡との間には因果関係があるというべきであり」

結論部分。傷害と死亡の因果関係を肯定

「被害者が医師の指示に従わず安静に努めなかったことが治療の効果を減殺した可能性があることは,記録上否定することができない。」

介在事情は可能性として前提に置かれたにすぎない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。