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高速道路進入事件

最決平成15年7月16日

激しい暴行から逃れようと高速道路に進入した被害者が轢死した事案で、暴行と死亡との因果関係を肯定した決定

刑法構成要件該当性・因果関係生命・身体に対する罪未遂・中止犯・不能犯本試験で 12 問(短答 12・論文 0)

出題:司法H23・司法H24・司法H27・司法R6・司法R8・予備H24・予備H29・予備R6

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成15(あ)35 傷害致死被告事件
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第57巻7号950頁
参照法条
刑法第1編第7章 犯罪の不成立及び刑の減免,刑法205条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

暴行とその被害者が現場からの逃走途中に遭遇した交通事故による死亡との間に因果関係があるとされた事例

裁判要旨

暴行の被害者が現場からの逃走途中に高速道路に進入するという極めて危険な行動を採ったために交通事故に遭遇して死亡したとしても,その行動が,長時間激しくかつ執ような暴行を受け,極度の恐怖感を抱いて,必死に逃走を図る過程で,とっさに選択されたものであり,暴行から逃れる方法として,著しく不自然,不相当であったとはいえないなど判示の事情の下においては,上記暴行と被害者の死亡との間には因果関係がある。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人4名は、他の2名と共謀して被害者に暴行を加えた。まず公園で、深夜約2時間10分にわたり、間断なく極めて激しい暴行を繰り返した。続いてマンション居室で、約45分間、断続的に同様の暴行を加えた。

被害者はすきをみて、居室から靴下履きのまま逃走した。被告人らに極度の恐怖感を抱いており、逃走開始から約10分後、追跡から逃れるため、マンションから約763mないし約810m離れた高速道路に進入した。そこで疾走してきた自動車に衝突され、さらに後続の自動車に轢過されて死亡した。

被告人らは傷害致死罪(刑法205条)で起訴され、原審(東京高裁)は暴行と死亡との因果関係を肯定した。被告人らが上告したが、上告趣意はいずれも刑訴法405条の上告理由に当たらないとされた。そのうえで最高裁は、職権で因果関係の有無を判断した。

争点

  • 暴行後、被害者自身が逃走のため高速道路に進入するという極めて危険な行動を採り、交通事故で死亡した場合に、暴行と死亡結果との間に因果関係が認められるか
  • 被害者の行為が介在する事案で、因果関係を判断する際の考慮要素は何か

判旨

上告棄却。暴行と被害者の死亡との因果関係を肯定した原判決を是認した。

  • 高速道路への進入は、それ自体極めて危険な行為である。
  • しかし被害者は、長時間激しくかつ執ような暴行を受けて極度の恐怖感を抱き、必死に逃走を図る過程で、とっさにその行動を選択したものである。
  • その行動は、暴行から逃れる方法として著しく不自然、不相当であったとはいえない。
  • したがって死亡は被告人らの暴行に起因するものと評価でき、因果関係がある。

答案用の規範:被害者の行為が介在して結果が生じた場合でも、その行為が行為者の暴行等によって誘発されたもので、当該状況下で著しく不自然・不相当なものといえないときは、結果は行為者の行為に起因するものと評価でき、因果関係が認められる。

判決文から

「被害者が逃走しようとして高速道路に進入したことは,それ自体極めて危険な行為であるというほかないが」

介在行為が極めて危険でも因果関係は否定されない前提

「必死に逃走を図る過程で,とっさにそのような行動を選択したものと認められ,その行動が,被告人らの暴行から逃れる方法として,著しく不自然,不相当であったとはいえない。」

被害者の介在行為を評価する判断基準の核心

「被害者が高速道路に進入して死亡したのは,被告人らの暴行に起因するものと評価することができる」

因果関係肯定の結論部分(「起因」の評価)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。