コンビニ・ジュース異物混入虚偽申告事件
刑法233条の「信用」は支払能力・支払意思への信頼に限らず、販売商品の品質への社会的信頼も含むとして大審院判例を変更した。
出題:司法H24・司法H29・司法R4・司法R8・予備R4・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 平成14(あ)1198 信用毀損,業務妨害,窃盗被告事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 刑集 第57巻3号293頁
- 参照法条
- 刑法233条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
販売される商品の品質に対する社会的な信頼と刑法233条にいう「信用」
裁判要旨
販売される商品の品質に対する社会的な信頼は,刑法233条にいう「信用」に含まれる。
解説
事案
被告人は、コンビニエンスストアで買った紙パック入りオレンジジュースに、次亜塩素酸イオン等を成分とする家庭用洗剤を自ら注入した。そのうえで警察官に対し、このコンビニで買ったジュースに異物が混入していたと虚偽の申告をした。警察職員がその旨を発表し、報道機関は「当該コンビニで異物の混入されたオレンジジュースが陳列、販売されていた」と報道した。
原審は、233条の「信用」には人の支払能力・支払意思に対する社会的信頼のほか、販売する商品の品質等に対する社会的信頼も含まれるとして、信用毀損罪の成立を認めた。弁護人は、支払能力・支払意思への信頼を毀損しない限り信用毀損罪は成立しないとした大審院判例(大判大正5年12月18日、大判昭和8年4月12日)に違反するとして上告した。
争点
- 刑法233条にいう「信用」は人の支払能力・支払意思に対する社会的信頼に限られるか
- 販売される商品の品質に対する社会的信頼が「信用」に含まれるか
判旨
上告棄却(信用毀損罪成立)。
規範:刑法233条の信用毀損罪は、経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものである。したがって同条にいう「信用」は、人の支払能力・支払意思に対する社会的な信頼に限定されず、販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含む。
判例変更:これと異なる大審院判例(大判大正5年12月18日、大判昭和8年4月12日)を変更した。
あてはめ:被告人は、粗悪な商品を販売しているという虚偽の風説を流布し、当該コンビニが販売する商品の品質に対する社会的な信頼を毀損した。よって信用毀損罪が成立する。
判決文から
「刑法233条が定める信用毀損罪は,経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものであり」
保護法益の定式。答案の規範の出発点
「同条にいう「信用」は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されるべきものではなく,販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含むと解するのが相当である」
判旨の核心。「信用」の範囲を拡張
「これと異なる上記大審院の各判例は,いずれもこれを変更し,原判決を維持すべきである。」
大審院判例を明示的に変更した点
「粗悪な商品を販売しているという虚偽の風説を流布して,上記コンビニエンスストアが販売する商品の品質に対する社会的な信頼を毀損したというべき」
本件行為の法的評価(あてはめ)
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
