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宝塚市パチンコ店規制条例事件

最判平成14年7月9日

国・自治体が専ら行政権の主体として国民に行政上の義務の履行を求める訴訟は法律上の争訟に当たらず不適法とした判決

行政法行政上の強制手段情報公開・個人情報当事者訴訟・民衆訴訟本試験で 8 問(短答 7・論文 1)

出題:司法H23・司法H24・司法H26・予備H29・予備R5・予備R8

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
平成10(行ツ)239 建築工事続行禁止請求事件
裁判
判決・破棄自判
判例集
民集 第56巻6号1134頁
参照法条
裁判所法3条,行政代執行法1条,宝塚市パチンコ店等,ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(昭和58年宝塚市条例第19号)8条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

1 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟の適否 2 地方公共団体が建築工事の中止命令の名あて人に対して同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えが不適法とされた事例

裁判要旨

1 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟は,不適法である。 2 宝塚市が,宝塚市パチンコ店等,ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(昭和58年宝塚市条例第19号)8条に基づき同市長が発した建築工事の中止命令の名あて人に対し,同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えは,不適法である。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

宝塚市長は、宝塚市パチンコ店等、ゲームセンター及びラブホテルの建築等の規制に関する条例(昭和58年宝塚市条例第19号)8条に基づき、市内でパチンコ店を建築しようとするYに対し、建築工事の中止命令を発した。Yがこれに従わなかったため、宝塚市(上告人)がYに対し、同工事を続行してはならない旨の裁判を求めて出訴した。

第1審は、本件訴えを適法なものとして扱い、請求には理由がないとして棄却した。原審(大阪高裁)も第1審判決を維持して市の控訴を棄却した。市が上告したところ、最高裁は職権で本件訴えの適否を検討した。

争点

  • 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に行政上の義務の履行を求める訴訟は、裁判所法3条1項の「法律上の争訟」に当たるか
  • 条例8条に基づく工事中止命令の名あて人に対し、市が工事続行禁止を求める訴えは適法か

判旨

原判決を破棄し、第1審判決を取り消して、訴えを却下した(裁判官全員一致)。

  • 規範①(法律上の争訟):裁判所法3条1項の「法律上の争訟」とは、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、法令の適用により終局的に解決できるものをいう。
  • 規範②(行政主体の訴訟):国・地方公共団体が財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求める訴訟は、法律上の争訟に当たる。これに対し、専ら行政権の主体として国民に行政上の義務の履行を求める訴訟は、法律上の争訟に当たらない。この種の訴訟は、法律に特別の規定がある場合に限り提起できる。そのような特別規定は存在しないから、不適法である。
  • あてはめ:本件訴えは、条例8条に基づく行政上の義務の履行を求めるものである。当該義務が市の財産的権利に由来するという事情も認められない。したがって、本件訴えは不適法である。

判決文から

「国又は地方公共団体が提起した訴訟であって,財産権の主体として自己の財産上の権利利益の保護救済を求めるような場合には,法律上の争訟に当たるというべきであるが」

財産権主体の訴訟は法律上の争訟に当たるとの区別

「法規の適用の適正ないし一般公益の保護を目的とするものであって,自己の権利利益の保護救済を目的とするものということはできない」

行政権主体の訴訟が争訟性を欠く理由

「法律上の争訟として当然に裁判所の審判の対象となるものではなく,法律に特別の規定がある場合に限り,提起することが許されるものと解される」

特別規定があれば提起可能という留保

「同法が行政上の義務の履行に関する一般法であることを明らかにした上で,その具体的な方法としては,同法2条の規定による代執行のみを認めている」

行政代執行法の一般法性と手段の限定

「当該義務が上告人の財産的権利に由来するものであるという事情も認められないから」

財産権主体か否かのあてはめ部分

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。