最決平成14年7月1日
窃盗等の被害者を相手方とする盗品等の有償処分のあっせんも、刑法256条2項の「有償の処分のあっせん」に当たるとした決定
出題:司法H23・司法H28・司法H29・予備H28
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成13(あ)1728 盗品等処分あっせん被告事件
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第56巻6号265頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする場合と盗品等処分あっせん罪の成否
裁判要旨
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は,刑法256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たる。
解説
事案
被告人は、窃盗等の被害にかかる盗品等について、その被害者を処分の相手方として有償の処分のあっせんをした。この行為が盗品等処分あっせん罪(刑法256条2項)に問われた事件である。
- 原審(名古屋高裁金沢支部)は、被害者を相手方とする場合でも「有償の処分のあっせん」に当たるとの見解に立ち、同罪の成立を認めた。
- 弁護人が上告した。
- 最高裁第一小法廷は、上告趣意は単なる法令違反・事実誤認・量刑不当の主張であり、刑訴法405条の上告理由に当たらないとした。そのうえで所論にかんがみ職権で判断し、上告を棄却した。
争点
- 窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為が、刑法256条2項の「有償の処分のあっせん」に当たるか
判旨
結論:窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は、刑法256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たる。盗品等処分あっせん罪が成立する。
規範(答案用):盗品等の有償の処分のあっせんは、窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても、次の2点をもつ行為である。
- 被害者による盗品等の正常な回復を困難にする
- 窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれがある
したがって同条2項の「有償の処分のあっせん」に当たる。あっせんの相手方が被害者であるかどうかは、同罪の成否を左右しない。
判決文から
「盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は,窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても,被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく,窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるから」
理由が二本立て(正常な回復の困難化+本犯助長・誘発)
「刑法256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たると解するのが相当である」
被害者相手でも構成要件該当とした結論部分
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