最判平成14年6月10日
「相続させる」趣旨の遺言による不動産の取得は、登記なくして第三者に対抗できるとした判例(改正前)
出題:司法H26・司法H28・司法R1・司法R4
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成11(受)271 各第三者異議事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第206号445頁
- 参照法条
- 民法177条,民法908条,民法985条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
「相続させる」趣旨の遺言による不動産の取得と登記
裁判要旨
「相続させる」趣旨の遺言による不動産の権利の取得については,登記なくして第三者に対抗することができる。
解説
事案
被相続人Dは、所有する不動産の権利一切を妻である被上告人に「相続させる」旨の遺言をした。被上告人はこの遺言により、当該不動産またはその共有持分権を取得した。
ところが、法定相続人の1人であるEの債権者である上告人らは、Eに代位して、Eが法定相続分により不動産・共有持分権を相続した旨の登記を経由した。そのうえでEの持分に対して仮差押えと強制競売を申し立て、仮差押え・差押えがされた。
これに対し被上告人は、仮差押えの執行と強制執行の排除を求めて第三者異議訴訟を提起した。原審は被上告人の請求を認める判断をし、上告人らが上告受理を申し立てた。
争点
- 「相続させる」趣旨の遺言によって不動産の権利を取得した相続人は、登記なくしてその取得を第三者(他の相続人の差押債権者)に対抗できるか(民法177条)
判旨
上告棄却。被上告人は、遺言によって取得した不動産または共有持分権を、登記なくして上告人ら(法定相続人Eの債権者)に対抗することができる。
規範は次のとおり。
- 特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、特段の事情のない限り、何らの行為を要せずに、被相続人の死亡時に直ちに当該遺産を当該相続人に相続により承継させる。
- この権利移転は、法定相続分・指定相続分の相続と本質において異ならない。
- 法定・指定相続分の相続による不動産の権利取得は登記なくして第三者に対抗できる。したがって、「相続させる」趣旨の遺言による権利取得も、登記なくして第三者に対抗できる。
判決文から
「特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は,特段の事情のない限り,何らの行為を要せずに,被相続人の死亡の時に直ちに当該遺産が当該相続人に相続により承継される」
平成3年判決を引く前提。承継は相続による
「このように,「相続させる」趣旨の遺言による権利の移転は,法定相続分又は指定相続分の相続の場合と本質において異なるところはない。」
結論を導く核心の位置づけ
「法定相続分又は指定相続分の相続による不動産の権利の取得については,登記なくしてその権利を第三者に対抗することができる」
昭和38年・平成5年判決の規範を接続
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
