最判平成14年3月28日
物上代位で賃料債権が差し押さえられても、賃貸借終了・明渡し時には敷金充当によりその限度で賃料債権は当然に消滅する
出題:司法R3・司法R8・予備R3
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成12(受)836 取立債権請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第56巻3号689頁
- 参照法条
- 民法304条1項,民法372条,民法511条,民法619条2項,民事執行法193条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当
裁判要旨
敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合において,当該賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅する。
解説
事案
抵当不動産について、敷金契約の付いた賃貸借契約が締結された。抵当権者は物上代位権を行使してその賃料債権を差し押さえ、取立権に基づいて第三債務者(賃借人側)に支払等を求めた。
その後、賃貸借契約は終了し、目的物は明け渡された。そこで、明渡し時に残っていた未払賃料に敷金が充当されたことを、差押債権者である抵当権者に主張できるかが争われた。
原審は、敷金の充当により賃料債権は消滅したとして、抵当権者(上告人)の請求を棄却した。抵当権者が上告受理を申し立てた。
争点
- 抵当権者が物上代位により賃料債権を差し押さえた後に賃貸借が終了し目的物が明け渡された場合、敷金の賃料への充当は物上代位権の行使によって妨げられるか
- 敷金充当による賃料債権の消滅に民法511条(差押えと相殺)の制限が及ぶか
判旨
上告棄却。
規範:敷金が授受された賃貸借契約の賃料債権について、抵当権者が物上代位権を行使して差し押さえた場合でも、その賃貸借契約が終了し目的物が明け渡されたときは、賃料債権は敷金の充当によりその限度で消滅する。
- 敷金充当による未払賃料等の消滅は、敷金契約から生じる効果である。当事者の意思表示を要しない当然消滅であるから、民法511条によって妨げられない。
- 敷金契約が締結されると、賃料債権は「敷金の充当を予定した債権」となる。このことは抵当権者にも主張できる。
判決文から
「目的物の返還時に残存する賃料債権等は敷金が存在する限度において敷金の充当により当然に消滅することになる。」
明渡し時の当然充当という効果の核心
「このような敷金の充当による未払賃料等の消滅は,敷金契約から発生する効果であって,相殺のように当事者の意思表示を必要とするものではないから,民法511条によって上記当然消滅の効果が妨げられないことは明らかである。」
相殺との区別、511条不適用の理由
「抵当権者は,物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえる前は,原則として抵当不動産の用益関係に介入できないのであるから」
敷金契約締結の自由を基礎づける前提
「敷金契約が締結された場合は,賃料債権は敷金の充当を予定した債権になり,このことを抵当権者に主張することができるというべきである。」
抵当権者への対抗を認める根拠
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
