最判平成13年11月27日
債権譲渡の予約について確定日付のある通知・承諾をしても、予約完結による債権譲渡を第三者に対抗できないとした判例
民法売買・贈与時効債権譲渡・債務引受本試験で 8 問(短答 8・論文 0)
出題:司法H23・司法H25・司法H29・司法R1・司法R7・予備H25・予備H29
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 平成10(オ)331 取立債権請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第55巻6号1090頁
- 参照法条
- 民法467条2項,民法556条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
指名債権譲渡の予約についての確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否
裁判要旨
指名債権譲渡の予約についてされた確定日付のある証書による債務者に対する通知又は債務者の承諾をもって,当該予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することはできない。
解説
事案
- 訴外会社Aは、ゴルフ場経営会社Y(上告人)に預託金を預託し、ゴルフクラブ会員権を取得した(昭和59年7月2日)。
- 翌日、Aと補助参加人Zは、AのZに対する債務の担保として会員権をZに譲渡する予約をした。Aに不履行があれば、Zの予約完結の意思表示で譲渡の本契約が成立する旨の合意である。そのころ、Yは確定日付のある証書でこの予約を承諾した。
- 平成3年10月5日、ZはAに予約完結の意思表示をした。しかし、この譲渡について確定日付のある証書によるYへの通知もYの承諾もされていない。
- 同月9日、X(被上告人)はAに対する滞納処分として会員権を差し押さえ、差押通知書をYに送達した。
- その後、据置期間が経過し、Aの解散による会員資格喪失で預託金返還請求権が発生した。XがYにその支払を求めた。
- 争点は、Zが差押えに先立つ予約完結による譲渡をXに対抗できるかである。
争点
- 指名債権譲渡の予約について確定日付のある証書による通知・承諾がされた場合、予約完結による債権譲渡の効力を第三者(差押債権者)に対抗できるか
判旨
結論:対抗できない(上告棄却)。
- 規範:指名債権譲渡の予約についてされた確定日付のある証書による債務者への通知または債務者の承諾をもって、予約の完結による債権譲渡の効力を第三者に対抗することはできない(民法467条2項)。
- 予約完結による譲渡を第三者に対抗するには、完結による譲渡そのものについて、確定日付のある証書による通知・承諾が別途必要となる。
- 本件への当てはめ:Zは予約について確定日付ある承諾を得ていた。しかし、予約完結権の行使による譲渡について対抗要件を具備していない。よって、完結が差押えより先であっても、会員権の譲受けを差押債権者Xに対抗できない。
判決文から
「債務者が債権譲渡により債権の帰属に変更が生じた事実を認識することを通じ,これが債務者によって第三者に表示され得るものであることを根幹として成立している」
467条の対抗要件制度の趣旨(債務者の認識・表示)
「指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対する通知又はその承諾がされても,債務者は,これによって予約完結権の行使により当該債権の帰属が将来変更される可能性を了知するに止まり」
予約の通知では将来の可能性しか認識できない
「上記予約の完結による債権譲渡の効力は,当該予約についてされた上記の通知又は承諾をもって,第三者に対抗することはできないと解すべきである。」
判旨の結論部分(要旨)
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
