最判平成13年11月22日
遺留分減殺請求権は行使上の一身専属権であり、確定的な行使意思の外部表明などの特段の事情がない限り債権者代位できない
出題:司法H24・司法R1・予備H28
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 平成10(オ)989 第三者異議事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第55巻6号1033頁
- 参照法条
- 民法423条1項,民法1031条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることの可否
裁判要旨
遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,これを第三者に譲渡するなど,権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き,債権者代位の目的とすることができない。
解説
事案
被相続人の遺言により、ある不動産は被上告人が相続すべきものとされ、他の相続人Aは相続分のないものとされた。
- Aに貸金債権を有する上告人Xは、Aに代位して法定相続分どおりの共同相続登記をした。そのうえでAの持分について強制競売を申し立て、差押えがされた。
- 被上告人は、この強制執行の排除を求めて第三者異議訴訟を提起した。
- Xは、貸金債権を保全するため、Aに代位して遺留分減殺請求権を行使する旨の意思表示をした。そして、Aの遺留分割合に相当する持分の限度では強制執行はなお有効であると主張した。
- 原審は、遺留分減殺請求権は債権者代位の目的とならないとして、第三者異議を全部認容した。Xが上告した。
争点
- 遺留分減殺請求権は、民法423条1項ただし書の「債務者ノ一身ニ専属スル権利」(行使上の一身専属権)に当たるか
- 遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることができるか。できるとすればどのような場合か
- 民法1031条(改正前)が遺留分権利者の承継人にも減殺請求権を認めていることとの関係
判旨
上告棄却(第三者異議を全部認容した原審を是認)。
- 規範:遺留分減殺請求権は、遺留分権利者がこれを第三者に譲渡するなど、権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き、債権者代位の目的とすることができない。
- 遺留分減殺請求権は、上記特段の事情がない限り行使上の一身専属性を有し、民法423条1項ただし書の一身専属権に当たる。遺留分権利者以外の者が、減殺請求権を行使するかどうかの意思決定に介入することは許されない。
- 本件では特段の事情は認められない。したがって、Xによる代位行使は認められず、遺留分相当の持分に対する強制執行も効力を有しない。
判決文から
「遺留分減殺請求権は,遺留分権利者が,これを第三者に譲渡するなど,権利行使の確定的意思を有することを外部に表明したと認められる特段の事情がある場合を除き,債権者代位の目的とすることができないと解するのが相当である。」
本判決の規範。原則と例外(特段の事情)を答案に書く
「これを覆して侵害された遺留分を回復するかどうかを,専ら遺留分権利者の自律的決定にゆだねたものということができる」
行使上の一身専属性を基礎づける中心的理由
「民法1031条が,遺留分権利者の承継人にも遺留分減殺請求権を認めていることは,この権利がいわゆる帰属上の一身専属性を有しないことを示すものにすぎず」
帰属上と行使上の一身専属性の区別
「相続人の債権者は,これを共同担保として期待すべきではないから,このように解しても債権者を不当に害するものとはいえない。」
債権者保護の観点からの正当化
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
