最判平成11年6月11日
共同相続人間の遺産分割協議は財産権を目的とする法律行為であり、詐害行為取消権の対象となり得るとした判例
出題:司法H26・司法R6・予備H26・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 平成10(オ)1077 貸金及び詐害行為取消請求事件
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第53巻5号898頁
- 参照法条
- 民法424条,民法907条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
遺産分割協議と詐害行為取消権
裁判要旨
共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となる。
解説
事案
Dが借地上の本件建物を所有し、妻Eらと住んでいた。Dは昭和54年に死亡し、相続人はE、子A1・A2の3名となった。子らは婚姻して他所に住み、Eだけが本件建物に住み続けた。登記名義はDのままだった。
平成5年、X(被上告人)はF・Gに300万円を貸し付け、Eがその債務を連帯保証した。Fらの支払が遅れて期限の利益が失われたため、Xは平成7年10月、Eに対し、保証債務の履行と、本件建物について相続を原因とする所有権移転登記をするよう求めた。
ところが平成8年1月ころ、EとA1・A2は、Eは持分を取得せず、子ら2名が2分の1ずつ所有権を取得するという遺産分割協議を成立させ、同日その旨の登記をした。Eは、保証債務を長期分割で払うとXの従業員に述べていたにもかかわらず、同年3月に自己破産を申し立てた。
Xが本件遺産分割協議を詐害行為として取り消すよう求め、原審はこれを認めた。A1・A2が上告した。
争点
- 共同相続人間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権(民法424条)の対象となるか
- 遺産分割協議は「財産権を目的とする法律行為」(当時の民法424条2項、現行424条2項は「財産権を目的としない行為」を除外)に当たるか
判旨
上告棄却。
規範:共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得る。
理由:遺産分割協議は、相続開始により共同相続人の共有となった相続財産について、その全部または一部を各相続人の単独所有とし、または新たな共有関係に移すことで、相続財産の帰属を確定させるものである。したがって、その性質上、財産権を目的とする法律行為といえる。
あてはめ:本件の事実関係の下で、XはEらの遺産分割協議を詐害行為として取り消すことができるとした原審の判断は正当である。
判決文から
「共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の対象となり得るものと解するのが相当である。」
結論部分。答案でそのまま使える規範
「遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであり」
遺産分割協議の法的性質の捉え方
「その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができるからである。」
424条の対象性を基礎づける決め手
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
