最判平成11年2月23日
やむを得ない事由があっても任意脱退を許さない組合契約の約定は、民法678条の強行法規性により無効とした判例
出題:司法H25・予備H25・予備R5
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 平成7(オ)1747 立替金返還等
- 裁判
- 判決・その他
- 判例集
- 民集 第53巻2号193頁
- 参照法条
- 民法90条,民法91条,民法678条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定の効力
裁判要旨
やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約における約定は、無効である。
解説
事案
XらとYらは、平成2年頃、一口100万円を出資して共同でヨットを購入し、そのヨットで航海を楽しむことなどを目的とするヨットクラブを結成する組合契約を締結した。存続期間の定めはない。合計14口(Xらは各2口)を出資し、ヨット1隻を1400万円で購入した。
クラブ規約には「オーナー会議で承認された相手方に対して譲渡することができる。譲渡した月の月末をもって退会とする」との規定(本件規定)があった。本件規定が設けられたのは、次の理由による。
- クラブの資産はヨットだけで、出資金を払い戻す財源がない。
- 会員が減ると月会費や作業の負担が増える。
Xらは、平成3年8月にYらに対して脱退の意思表示をしたとして、当時のヨット時価を出資割合で按分した持分払戻金などを請求した。原審は、本件規定は権利譲渡以外の方法による任意脱退を許さない趣旨であり、合理的理由があるうえ解散請求も可能だから公序良俗に反せず有効であるとして、請求を棄却した。
争点
- やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約の約定は有効か(民法678条は強行法規か)
- 脱退制限に合理的理由があり、権利譲渡や解散請求の途があることで結論が変わるか
判旨
破棄差戻し(持分払戻金請求の部分)。
- 規範:民法678条は、組合員はやむを得ない事由がある場合には、組合の存続期間の定めの有無にかかわらず、常に組合から任意に脱退できる旨を定めている。同条のうちこの旨を定める部分は強行法規であり、これに反する組合契約の約定は効力を有しない。
- あてはめ:本件規定を、権利譲渡以外の方法による任意脱退を認めない趣旨と解すると、やむを得ない事由があっても脱退を許さないことになる。したがって、その限度において民法678条に違反し、効力を有しない。
- 規定を設けた合理的理由があり、会員が権利の譲渡や解散請求をできるという事情があっても、結論は異ならない。
- 原審は、やむを得ない事由の存否を判断しないまま脱退の効力を否定しており、違法である。事由の存否等の審理のため差し戻した。
判決文から
「民法六七八条は、組合員は、やむを得ない事由がある場合には、組合の存続期間の定めの有無にかかわらず、常に組合から任意に脱退することができる旨を規定しているものと解されるところ」
678条の解釈(期間の定めの有無を問わない)
「同条のうち右の旨を規定する部分は、強行法規であり、これに反する組合契約における約定は効力を有しないものと解するのが相当である。」
強行法規性と約定無効の規範
「けだし、やむを得ない事由があっても任意の脱退を許さない旨の組合契約は、組合員の自由を著しく制限するものであり、公の秩序に反するものというべきだからである。」
強行法規とする理由づけ
「このことは、本件規定が設けられたことについて一4のとおりの理由があり、本件クラブの会員は、会員の権利を譲渡し、又は解散請求をすることができるという事情があっても、異なるものではない。」
合理的理由・代替手段があっても無効
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
