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政見放送判決(衆議院小選挙区制違憲訴訟)

最大判平成11年11月10日

小選挙区制、一人別枠方式による区割り、候補者届出政党のみの政見放送をいずれも国会の裁量の範囲内として合憲とした

憲法参政権・国務請求権法の下の平等国会本試験で 9 問(短答 9・論文 0)

出題:司法H27・司法R3・司法R4・司法R5・司法R8・予備H24・予備R3・予備R5・予備R8

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
平成11(行ツ)35 選挙無効請求事件
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第53巻8号1704頁
参照法条
憲法43条1項,公職選挙法13条1項,公職選挙法95条1項,憲法14条1項,公職選挙法131条1項,公職選挙法141条1項,公職選挙法141条2項,公職選挙法141条7項,公職選挙法141条の2第1項,公職選挙法142条1項,公職選挙法142条2項,公職選挙法142条9項,公職選挙法143条1項,公職選挙法143条3項,公職選挙法144条1項,公職選挙法144条4項,公職選挙法149条1項,公職選挙法150条1項,公職選挙法150条4項,公職選挙法151条の5,公職選挙法161条1項,公職選挙法161条の2

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している小選挙区制の合憲性  二 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に選挙運動を認める公職選挙法の規定の合憲性

裁判要旨

一 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している小選挙区制は、憲法の国民代表の原理等に違反するとはいえない。 二 衆議院小選挙区選出議員の選挙において候補者届出政党に政見放送その他の選挙運動を認める公職選挙法の規定は、候補者届出政党に所属する候補者とこれに所属しない候補者との間に選挙運動の上で差異を生ずるものであるが、その差異が一般的に合理性を有するとは到底考えられない程度に達しているとは断定し難く、憲法一四条一項に違反するとはいえない。 (二につき反対意見がある。)

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

平成6年の公職選挙法改正により、衆議院議員の選挙制度は中選挙区単記投票制から小選挙区比例代表並立制に改められた。定数は500人で、うち小選挙区選出300人、比例代表選出200人である。小選挙区の区割りは、区画審設置法3条に基づく区割り案どおりに定められた。同条は、選挙区間の人口較差を2倍未満とすることを基本としつつ(1項)、各都道府県にまず定数1を配分し、残りを人口比例で配分する方式(いわゆる一人別枠方式、2項)を定めていた。最大較差は、平成2年国勢調査で1対2.137、平成7年国勢調査で1対2.309であった。また、一定の要件(所属国会議員5人以上、または直近国政選挙の得票率2%以上)を満たす候補者届出政党には、候補者本人とは別に自動車・拡声機・文書図画・新聞広告・演説会等の選挙運動が認められた。さらに、候補者本人には認められない政見放送も候補者届出政党に認められた。原告は、これらの規定が違憲であるとして、平成8年10月20日施行の総選挙のうち東京都第5区の小選挙区選挙の無効を求めて提訴した。

争点

  • 小選挙区制の採用が憲法の国民代表の原理(憲法43条1項)等に反するか
  • 一人別枠方式に基づく区割り(最大較差1対2.309)が投票価値の平等に反するか
  • 候補者届出政党に選挙運動(特に政見放送)を認め、所属候補者と非所属候補者との間に差異を生ずることが憲法14条1項に反するか

判旨

上告棄却(すべて合憲)。

  • 一般的枠組み:選挙制度の仕組みの具体的決定は、「議員は全国民を代表する」という制約の下で国会の広い裁量にゆだねられる(憲法43条、47条)。具体的に定めたところが憲法上の要請に反し、広い裁量を考慮してもなお限界を超えて是認できない場合に、初めて違憲となる。
  • 小選挙区制:国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法であり、全国民の代表という性格と矛盾しない。したがって国会の裁量の限界を超えない。
  • 区割り:投票価値の不平等が、通常考慮しうる諸般の要素をしんしゃくしてもなお一般に合理性を有するとは考えられない程度に達しているときは、裁量の限界を超えたと推定される。本件の較差はその程度に達していない。
  • 選挙運動上の差異:憲法は各候補者が選挙運動の上で平等に取り扱われることを要求するが、合理的理由に基づく差異までは禁止しない。差異が一般的に合理性を有するとは到底考えられない程度に達した場合に、初めて裁量を逸脱する。政見放送の差異は単なる程度の違いを超えるが、なおその程度には達しておらず、憲法14条1項に反しない。

判決文から

「その具体的に定めたところが、右の制約や法の下の平等などの憲法上の要請に反するため国会の右のような広い裁量権を考慮してもなおその限界を超えており、これを是認することができない場合に、初めてこれが憲法に違反することになる」

選挙制度の合憲性審査の一般的枠組み

「このように、小選挙区制は、選挙を通じて国民の総意を議席に反映させる一つの合理的方法ということができ、これによって選出された議員が全国民の代表であるという性格と矛盾抵触するものではないと考えられる」

小選挙区制合憲の結論部分

「政党は、議会制民主主義を支える不可欠の要素であって、国民の政治意思を形成する最も有力な媒体である」

政党本位の制度を裁量内とする根拠

「憲法は、各候補者が選挙運動の上で平等に取り扱われるべきことを要求しているというべきであるが、合理的理由に基づくと認められる差異を設けることまで禁止しているものではない。」

候補者間の選挙運動上の平等の規範

「政見放送という手段に限ってみれば、候補者届出政党に所属する候補者とこれに所属しない候補者との間に単なる程度の違いを超える差異を設ける結果となるものである。」

差異の大きさを認めた部分(短答頻出)

「政見放送が認められないことの一事をもって、選挙運動に関する規定における候補者間の差異が合理性を有するとは到底考えられない程度に達しているとまでは断定し難い」

それでも合憲とした結論部分

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。