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最判平成11年10月21日

後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できない。順位上昇による配当増加は反射的利益にすぎないからである。

民法時効抵当権本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H23・司法H28・司法R4・予備R7

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
平成9(オ)1771 根抵当権抹消登記手続請求事件
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第53巻7号1190頁
参照法条
民法145条,民法369条,民法373条1項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

後順位抵当権者と先順位抵当権の被担保債権の消滅時効の援用

裁判要旨

後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

根抵当権抹消登記手続請求事件である。上告人らは、ある不動産について後順位抵当権者の地位にある。上告人らは、先順位の(根)抵当権の被担保債権について消滅時効を援用し、先順位の根抵当権の抹消登記手続を求めた。

原審(大阪高裁)は、後順位抵当権者による消滅時効の援用を認めず、上告人らを敗訴させた。

上告人らは上告し、次のように主張した。最判昭和48年12月14日は、抵当不動産の第三取得者が被担保債権の消滅時効を援用できるとしている。後順位抵当権者も第三取得者と同列に扱うべきである。

最高裁は、上告を棄却した。

争点

  • 後順位抵当権者は、民法145条の「当事者」として先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用できるか
  • 援用権を認められる抵当不動産の第三取得者と、後順位抵当権者とを同列に扱うべきか

判旨

結論:後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。

規範:民法145条の当事者として消滅時効を援用できる者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定される(最判昭和48年12月14日を参照)。

あてはめ

  • 後順位抵当権者は、目的不動産の価格から先順位の被担保債権額を控除した価額についてだけ、優先弁済を受ける地位にある。
  • 先順位の被担保債権が消滅すれば、順位が上昇して配当額が増えることはありうる。しかし、その期待は順位上昇がもたらす反射的な利益にすぎない。
  • したがって、後順位抵当権者は「直接利益を受ける者」に当たらない。

第三取得者との違い:第三取得者は援用できる。第三取得者と後順位抵当権者とは、置かれた地位が異なる。

判決文から

「民法一四五条所定の当事者として消滅時効を援用し得る者は、権利の消滅により直接利益を受ける者に限定されると解すべきである」

援用権者の一般的基準(直接利益基準)

「後順位抵当権者は、目的不動産の価格から先順位抵当権によって担保される債権額を控除した価額についてのみ優先して弁済を受ける地位を有するものである。」

後順位抵当権者の地位の内容を確定

「この配当額の増加に対する期待は、抵当権の順位の上昇によってもたらされる反射的な利益にすぎないというべきである。」

援用否定の核心である「反射的利益」論

「後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅により直接利益を受ける者に該当するものではなく、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができないものと解するのが相当である。」

判決要旨そのもの

「後順位抵当権者と第三取得者とは、その置かれた地位が異なるものであるというべきである。」

第三取得者との区別を明示

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。