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最判平成10年7月17日

本人が追認を拒絶した後に無権代理人が本人を相続しても、無権代理行為は有効にならないとした判例

民法代理相続本試験で 6 問(短答 6・論文 0)

出題:司法H23・司法H26・司法R7・予備H23・予備H26・予備R7

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成6(オ)1379 根抵当権設定登記抹消登記手続請求本訴、同反訴
裁判
判決・破棄自判
判例集
民集 第52巻5号1296頁
参照法条
民法113条,民法117条,民法896条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

本人が無権代理行為の追認を拒絶した後に無権代理人が本人を相続した場合における無権代理行為の効力

裁判要旨

本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

Eは本件各物件を所有していたが、遅くとも昭和58年11月には脳循環障害で意思能力を失った。Eの長男Fは、Eの意思に基づかずにその代理人として、被上告人らとの間で根抵当権設定契約等を結び、各登記がされた。さらにFは、Eが有限会社Gの債務を連帯保証する旨の契約も被上告会社と締結した。昭和61年にFが死亡し、相続人である妻Hと子(上告人ら)は限定承認をした。Eは昭和62年に禁治産宣告を受け、後見人Hを法定代理人として、被上告人らに各登記の抹消登記手続を求める本訴を提起した。第一審の審理中にEが死亡し、上告人らが代襲相続により本件各物件を取得し、訴訟を承継した。被上告会社は、反訴として連帯保証債務の履行を求めた。被上告人らは、上告人らは無権代理人Fを相続した後に本人Eを相続したので、本人が自ら法律行為をしたのと同様の地位が生じ、無効の主張は信義則上許されないと主張した。原審はこの主張を認め、上告人らの請求を棄却し、反訴請求を認容した。

争点

  • 本人が無権代理行為の追認を拒絶した後に、無権代理人(の地位を承継した者)が本人を相続した場合、無権代理行為は有効となるか
  • 相続した無権代理人側が本人の追認拒絶の効果を主張することは信義則に反するか
  • 本人による抹消登記手続請求訴訟の提起が追認拒絶にあたるか

判旨

結論:原判決を破棄し、第一審判決を取り消した。上告人らの抹消登記手続請求を認容し、被上告会社の反訴請求を棄却した(破棄自判)。

規範:本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為は有効にならない。

  • 追認拒絶によって、無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定する。
  • 拒絶後の相続は、追認拒絶の効果に影響しない。
  • 相続した無権代理人が本人の追認拒絶の効果を主張しても、それ自体は信義則に反しない。

あてはめ:Eが被上告人らに対し各登記の抹消登記手続を求める本訴を提起したことは、Fの無権代理行為の追認拒絶にあたる。これにより無権代理行為はEに効力を生じないことが確定した。その後に上告人らがEを相続しても、無権代理行為は当然には有効にならない。追認拒絶の効果を主張することが信義則に反する事情もうかがわれない。

判決文から

「本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為が有効になるものではないと解するのが相当である。」

判旨の中心となる規範

「本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力が本人に及ばないことが確定し、追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることができず」

追認拒絶による効果不帰属の確定という理由づけ

「本人の追認拒絶の有無によって右の相違を生ずることはやむを得ないところであり、相続した無権代理人が本人の追認拒絶の効果を主張することがそれ自体信義則に反するものであるということはできない。」

拒絶前の相続との差異を正当化し信義則論を退けた部分

「Eは、被上告人らに対し本件各登記の抹消登記手続を求める本訴を提起したから、Fの無権代理行為について追認を拒絶したものというべく、」

訴訟提起を追認拒絶と評価したあてはめ

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。