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最決平成10年5月1日

情報記録の蓋然性があり、現場で確認すると情報を損壊される危険がある場合は、記録媒体を内容未確認のまま差し押さえられるとした決定

刑事訴訟法捜索・差押え・検証本試験で 4 問(短答 2・論文 2)

出題:司法H25・司法R3・予備H27・予備R6

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
平成10(し)45 捜索差押え許可の裁判及び司法警察職員の処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第52巻4号275頁
参照法条
刑訴法99条1項,刑訴法218条1項,刑訴法222条1項

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

フロッピーディスク等につき内容を確認せずに差し押さえることが許されるとされた事例

裁判要旨

フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合において、そのような情報が実際に記録されているかを捜索差押えの現場で確認していたのでは記録された情報を損壊される危険があるなどの事情の下では、内容を確認せずに右フロッピーディスク等を差し押さえることが許される。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被疑事実は、自動車登録ファイルに自動車の使用の本拠地について不実の記録をさせ、これを備え付けさせたという電磁的公正証書原本不実記録・同供用である。この被疑事実について捜索差押許可状が発付された。許可状には、差し押さえるべき物として「組織的犯行であることを明らかにするための磁気記録テープ、光磁気ディスク、フロッピーディスク、パソコン一式」等が記載されていた。

司法警察職員は、この許可状に基づき、申立人からパソコン1台、フロッピーディスク合計108枚等を差し押さえた。これらには本件の組織的背景・組織的関与を裏付ける情報が記録されている蓋然性が高いと認められた。さらに、申立人らが記録情報を瞬時に消去するコンピュータソフトを開発しているとの情報もあった。そのため、捜索差押えの現場では内容を確認せずに差し押さえた。

申立人は差押え処分等の取消しを求めて準抗告をしたが、浦和地裁はこれを棄却した。申立人が特別抗告をした。

争点

  • 令状記載の差押対象物であるパソコン・フロッピーディスク等を、被疑事実との関連性(記録内容)を現場で確認しないまま差し押さえることが許されるか
  • 内容未確認の差押えが許されるための要件

判旨

抗告棄却。特別抗告の趣意は憲法違反をいうが、実質は単なる法令違反の主張であり、刑訴法433条の抗告理由に当たらないとした。そのうえで、職権で次のとおり判断した。

規範:令状により差し押さえようとするパソコン・フロッピーディスク等について、次の2つを満たすときは、内容を確認せずに差し押さえることが許される。

  • ①被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められること
  • ②そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは、記録された情報を損壊される危険があること

あてはめ:本件では、組織的背景・関与を裏付ける情報が記録されている蓋然性が高く、瞬時に情報を消去するソフトを開発しているとの情報もあった。したがって、内容未確認の差押えを是認した原決定は正当であるとした。

判決文から

「令状により差し押さえようとするパソコン、フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合において」

要件①:関連情報記録の蓋然性

「そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは記録された情報を損壊される危険があるときは、内容を確認することなしに右パソコン、フロッピーディスク等を差し押さえることが許されるものと解される。」

要件②(損壊の危険)と結論

「申立人らが記録された情報を瞬時に消去するコンピュータソフトを開発しているとの情報もあった」

損壊の危険を基礎づけた具体的事実

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。