岐阜県青少年保護育成条例事件
有害図書の自販機への収納を禁止・処罰する条例は、青少年保護のための必要やむをえない制約であり憲法21条1項に反しない
出題:予備R4・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和62(あ)1462 岐阜県青少年保護育成条例違反
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 刑集 第43巻8号785頁
- 参照法条
- 憲法21条1項,岐阜県青少年保護育成条例6条1項,岐阜県青少年保護育成条例6条2項,岐阜県青少年保護育成条例6条の6第1項,岐阜県青少年保護育成条例21条5号,岐阜県青少年保護育成条例施行規則2条,昭和54年7月1日岐阜県告示539号
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
岐阜県青少年保護育成条例六条二項、六条の六第一項本文、二一条五号の規定と憲法二一条一項(補足意見がある)
裁判要旨
有害図書の自動販売機への収納を禁止処罰する岐阜県青少年保護育成条例六条二項、六条の六第一項本文、二一条五号の規定は、憲法二一条一項に違反しない。
解説
事案
岐阜県青少年保護育成条例では、知事は、著しく性的感情を刺激し、または著しく残忍性を助長するため青少年の健全な育成を阻害するおそれがある図書を、審議会の意見を聴いたうえで有害図書として個別に指定する(6条1項、9条)。
これとは別に、特に卑わいな姿態や性行為を被写体とした写真が編集紙面の過半を占める刊行物については、写真の内容をあらかじめ規則で定めることで指定できる(6条2項・包括指定)。施行規則2条と県告示によって、その内容は具体化されている。包括指定では、個々の図書について審議会の意見を聴く必要はない。
指定された有害図書について、自販機業者が自販機に収納することは禁止され(6条の6第1項)、違反には罰則がある(21条5号)。この規制に違反したとして処罰された者が、憲法21条1項・2項前段、14条、31条違反を主張して上告した。
争点
- 有害図書の自販機への収納禁止・処罰が憲法21条1項に違反するか(青少年との関係・成人との関係)
- 有害図書の指定が憲法21条2項前段の「検閲」に当たるか
- 条例による規制の地域差が憲法14条に違反するか
- 有害図書の定義が不明確で憲法21条1項・31条に違反するか
判旨
上告棄却(合憲)。
- 憲法21条1項:収納禁止は、青少年に対する関係で同項に違反しない。成人に対する関係でも、有害図書の流通を幾分制約することにはなる。しかしそれは、青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴う必要やむをえない制約であるから、同項に違反しない。根拠として、チャタレー事件・悪徳の栄え事件・福岡県青少年保護育成条例事件の各大法廷判決の趣旨を挙げる。
- 検閲:有害図書の指定は憲法21条2項前段の検閲に当たらない(税関検査事件・北方ジャーナル事件の趣旨)。
- 憲法14条:違反しない(昭和60年大法廷判決の趣旨)。
- 明確性:有害図書の定義は不明確とはいえない。
判決文から
「成人に対する関係においても、有害図書の流通を幾分制約することにはなるものの、青少年の健全な育成を阻害する有害環境を浄化するための規制に伴う必要やむをえない制約であるから、憲法二一条一項に違反するものではない。」
成人の知る自由への制約も合憲とした結論部分
「自動販売機による有害図書の販売は、売手と対面しないため心理的に購入が容易であること、昼夜を問わず購入ができること、収納された有害図書が街頭にさらされているため購入意欲を刺激し易いことなどの点において」
自販機規制の必要性を基礎づける三つの事情
「ある表現が受け手として青少年にむけられる場合には、成人に対する表現の規制の場合のように、その制約の憲法適合性について厳格な基準が適用されないものと解するのが相当である。」
伊藤補足意見の審査基準緩和の核心
「知る自由の保障は、提供される知識や情報を自ら選別してそのうちから自らの人格形成に資するものを取得していく能力が前提とされている。」
青少年の知る自由の保障が低い理由
「青少年保護のための有害図書の規制が合憲であるためには、青少年非行などの害悪を生ずる相当の蓋然性のあることをもって足りると解してよいと思われる。」
立法事実の科学的証明は不要とする基準
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
