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平安神宮事件

最決平成元年7月14日

廻廊等で接続された平安神宮社殿を、物理的・機能的一体性から全体として一個の現住建造物と認めた事例

刑法放火罪未遂・中止犯・不能犯本試験で 8 問(短答 8・論文 0)

出題:司法H22・司法H24・司法H25・司法R5・司法R8・予備R2・予備R5

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和63(あ)664 爆発物取締罰則違反、傷害、現住建造物等放火
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第43巻7号641頁
参照法条
刑法108条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

複数の建物が廻廊等により接続されていた神宮社殿が一個の現住建造物に当たるとされた事例

裁判要旨

本殿、拝殿、社務所等の建物が廻廊等により接続され、夜間も神職等が社務所等で宿直していた本件平安神宮社殿は、全体として一個の現住建造物に当たる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は平安神宮社殿のうち本殿、祭具庫、西翼舎等の建物に放火し、これを焼燬した。罪名は爆発物取締罰則違反、傷害、現住建造物等放火である。原審が認定した事実は次のとおりである。

  • 社殿は、東西両本殿、祝詞殿、内拝殿、外拝殿、東西両翼舎、神楽殿、参集殿、齋館、社務所、守衛詰所、神門、蒼龍楼、白虎楼等の建物と、これらを接続する内廻廊・歩廊・外廻廊から成る。中央の広場を囲んで方形に配置され、廻廊・歩廊づたいに一周できる構造であった。
  • 建物はすべて木造で、廻廊等にも多量の木材が使われていた。そのため、祭具庫等に放火されれば社務所・守衛詰所に延焼する可能性を否定できなかった。
  • 夜間は神職2名・守衛・ガードマンの計4名が宿直し、社務所・守衛詰所で執務・就寝していた。東西両本殿・祝詞殿のある区域を除く社殿の建物等を巡回していた。

弁護人は、焼燬された本殿等と人が現住する社務所等は別個の建造物であり、非現住建造物放火罪(刑法109条)にとどまると主張した。

争点

  • 複数の建物が廻廊等で接続された社殿群が、全体として一個の建造物といえるか
  • 人の起居する社務所等以外の部分(本殿・祭具庫等)への放火につき、現住建造物等放火罪(刑法108条)が成立するか

判旨

上告棄却。最高裁は職権で、平安神宮社殿は全体として一個の現住建造物に当たるとし、現住建造物放火罪(刑法108条)の成立を認めた原判決を正当とした。

規範は次のとおりである。複数の建物が接続している場合には、二つの観点から一個の現住建造物かどうかを判断する。

  • 物理的一体性:一部に放火されると全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造か(構造上の接続性・延焼可能性)。
  • 機能的一体性:全体が一体として日夜人の起居に利用されているか。

両面から全体が一個の現住建造物と認められれば、人の起居しない部分に放火した場合でも108条の客体への放火となる。

判決文から

「右社殿は、その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたものと認められる。」

物理的一体性と機能的一体性の具体的内容

「右社殿は、物理的に見ても、機能的に見ても、その全体が一個の現住建造物であつたと認めるのが相当であるから」

物理的・機能的の二面から一個性を判断する枠組み

「廻廊、歩廊づたいに各建物を一周しうる構造になつていた」

構造上の接続性を示す認定事実

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。