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最決平成元年5月1日

逮捕勾留中の犯人の身代わりを出頭させ虚偽の自白をさせる行為も、刑法103条の「隠避」に当たり、犯人隠避教唆罪となる

刑法教唆・幇助・共犯の諸問題自由・名誉・信用に対する罪毀棄・隠匿罪本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H22・司法H29・司法R7・予備H29

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和63(あ)247 犯人隠避教唆、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第43巻5号405頁
参照法条
刑法61条1項,刑法103条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

逮捕勾留中の犯人の身代りを出頭させる行為と犯人隠避教唆罪の成否

裁判要旨

犯人が逮捕勾留された後であつても、他の者を教唆して身代り犯人として警察署に出頭させ、自己が犯人である旨の虚偽の陳述をさせた行為は、犯人隠避教唆罪を構成する。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

犯人が殺人未遂事件で逮捕・勾留された。その後、被告人は他の者を教唆し、その者をこの事件の身代わり犯人として警察署に出頭させ、その者自身が犯人であるという虚偽の陳述をさせた。

原審(福岡高裁)は、この行為を犯人隠避教唆罪(刑法103条・61条1項)に当たるとした。本件は銃砲刀剣類所持等取締法違反・火薬類取締法違反とあわせて審理されている。

弁護人は、憲法31条違反を理由に上告した。その中で、犯人がすでに逮捕勾留されている場合には、身代わり犯人として警察に出頭しても犯人隠避罪は成立しないと主張した。最高裁は、上告趣意は実質的には単なる法令違反の主張であり上告理由に当たらないとした。そのうえで、この点を職権で判断した。

争点

  • すでに逮捕勾留されている犯人は、刑法103条の「罪ヲ犯シタル者」(罪を犯した者)に含まれるか
  • 逮捕勾留中の犯人について身代わり犯人を出頭させ、虚偽の陳述をさせる行為は「隠避」に当たるか(犯人隠避教唆罪の成否)

判旨

上告棄却。犯人隠避教唆罪の成立を認めた。

  • 規範1(趣旨):刑法103条は、捜査・審判・刑の執行など、広い意味での刑事司法の作用を妨害する者を処罰する趣旨の規定である。
  • 規範2(客体):同条の「罪を犯した者」には、犯人として逮捕勾留されている者も含まれる。
  • 規範3(行為):そのような者について、現に行われている身柄拘束を免れさせるような性質の行為も「隠避」に当たる。
  • あてはめ:犯人が殺人未遂事件で逮捕勾留された後、被告人は他の者を教唆して身代わり犯人として警察署に出頭させ、その者自身が犯人である旨の虚偽の陳述をさせた。この行為は犯人隠避教唆罪に当たる。

判決文から

「刑法一〇三条は、捜査、審判及び刑の執行等広義における刑事司法の作用を妨害する者を処罰しようとする趣旨の規定であつて」

103条の保護法益を広義の刑事司法作用とする出発点

「同条にいう「罪ヲ犯シタル者」には、犯人として逮捕勾留されている者も含まれ、かかる者をして現になされている身柄の拘束を免れさせるような性質の行為も同条にいう「隠避」に当たると解すべきである。」

客体と「隠避」の範囲を示した中心規範

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。